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オゥシーとの暮らし

オゥシー(オーストラリアンシェパードの愛称)という犬種に興味を持ったときに「この犬はどんな犬なんだろう?」 「私に飼えるかな?」。
中にはペットショップで運命の出会いをしたという方や迎えた後に犬種について調べた方もいらっしゃるかと思います。
ただ大半の方は犬種について、犬の本・雑誌・インターネットのサイト・実際にオゥシーと暮らしている方のブログ・・と様々な方法で「オゥシーという犬種」について勉強されたり調べられたのではないでしょうか?

犬種の歴史や起源など基盤となるものを除いて、犬種の性格・飼育のしやすさなどは ‘その人がたまたま見た犬の感想’に左右されているように感じます。
長年、犬種が培ってきた歴史や犬種が作られた背景・作出目的というものがありますのである程度のラインで犬種に対する感想は均一でしょう。
ですが、沢山の異なる環境や血統、性格のオゥシー達を見て、その上で見た感覚や平均としての感じたことを言うのならばともかく、ある一部のオゥシーだけを見て個人が「この犬はこんな犬種」と言い切ってしまうのに違和感を感じてしまいます。

人間の血液型を例にするのは少々的外れかもしれませんが「A型の人はこんな性格」と書いてあるような本を手に取ったとき自分はA型だけど書いてあることと違うなぁと思うのと一緒で(あるいは、ここは自分にあてはまるけれど他は全くあてはまらないと感じたり)、オゥシーに置き換えるなら育った環境や血統、両親から遺伝した性格で個々に違います。
とても活発なオゥシーを見たり、そういった子と生活している方は「活発なので激しい運動が必須な犬」と言われるでしょう。
イタズラっ子であったり訓練やしつけを入れていない子を見たり、そういった子と生活している方は「とにかくイタズラで破壊魔な犬種!」と言われるかもしれません。
ご自分が見た犬や愛犬だけを挙げて「オゥシーはこういう犬です」「こういうところはオゥシーだからでしょうか?」と犬種を出すのは、一人の犬種のファンシャーとしてとても残念に思います。
それを公言することで耳にした方が「オゥシーってそうなんだ!」と全てをまにうけてしまうのも残念です。

オゥシーについての質問をいただく中で多いのが「莫大な運動が必要な犬種だと書いてありますが運動は一日何時間くらい走らせればいいですか?」。
これが一番多いです。
あとは「破壊魔だと聞きましたが家の中で飼えますか?」 「牧羊犬って書いてありますが大変ですか?」などなど。
質問返しになりますが「どこでそういった情報を得たんですか?」と尋ねると決まって「インターネットや本で」と言われます。

私も沢山のオゥシーを見てきましたし犬種に関して自分なりに勉強しました。
国内海外共にオゥシーのオーナーさんやケネルのブリーダーさんに知識をもらったり、経験談を聞いたり実際に見にも行ったりしています。
まだまだ自分は勉強の途中ですし、日々アップデートの途中なので犬種について「コレはこうです!」と言い切れるほど偉くありません。
質問に対する解答も多少あいまいに感じることもあるかもしれません。

我が家のオゥシー達4頭、それから実家のオゥシーの子や今は亡き愛犬のオゥシー。
犬の仕事をしていた際には、たくさんの犬と関わってきましたが実際に一緒にオゥシーと生活した経験はこの6頭なのでその上でありのままの話を私は質問の解答とさせてもらっています。
聞いた方がどのように感じるかはわかりませんがありのままを話すことが解答に繋がればと思っています。
あくまで「私の家の子達はこうです。でもオゥシーという犬種に限らず、犬は基本的な情報を除いて育った環境や血統、両親から遺伝した性格で個々に違います」というのが前提です。

ここからは我が家の子達の話になります。
全ての子は室内で暮らしています。
外にはトイレと運動しか出ません。 庭には天気がいい日だけ人の立会いのみ日向ぼっこで出すくらいです。
運動は基本的に朝夕の2回です。夜に人間のウォーキングのお付き合いをすることもあります。

和室やキッチンへの入室は禁止・指示があるまで2階には勝手に昇ってはいけない・玄関は「ヨシ」という言葉があるまで勝手におりてはいけない(飛び出し防止)とルールはありますが、それ以外は家の中で自由です。

夜、寝かせるときや犬が苦手なお客さんが来たときは別室のサークルを組み立ててある部屋に各自入りますが「出せ〜」といった催促吠えも一切ありません。(子犬時期だけ、サークル内の敷物をカミカミしてしまうこともありますが)
散歩や食事に対する要求吠えもしません。

普段はソファーで昼寝を楽しんだり、子供の相手をしたり、家事をする私にくっついてきては足元に寝たり各々が自由にしています。
家族の誰かが帰ってきたときなど嬉しくてはしゃぐときはありますが、家の中をまるで外のようにかけずりまわることもありません。家と外をわきまえています。

子犬時期も含めて我が家の家具は一切、噛みあとなどで傷ついていませんし留守番させてもイタズラはありません。
オゥシーに言われがちな「破壊魔」といわれるような行動は我が家の子には思い当たりません。

運動は一日何時間も走らせたり過激な運動もしていません。
通常は自転車や徒歩での引き運動ですが時々ドッグランで遊ばせたり犬OKの場所でのロングリードでのボール遊びやフリスビーなど。
季節や天候、犬達の体調に応じて臨機応変にしています。
ちなみにドッグランや広い場所で遊ばせてもみんなで走り回るのは最初の10分だけ。ボール投げでもしない限り、あとは私達人間の後ろをついて歩いたり、自由にただ柵の中を歩いているだけです。

人間が生活していると、どうしても出かけなくてはいけなかったり忙しいこともあります。
台風や大雨で人も犬も外に出るのが大変で、庭でのトイレのみで外へ運動で出るのを我慢してもらう日も中にはあります。そういう日は「ごめんね!明日いっぱい遊ぼうね」となりますが、みんな納得したかのようにおとなしいです。
我が家の子たちは水遊びやシャンプーは好きなのに雨は好きでないようで、雨の日はさっさとみんな家に戻りたがります。

私達も本当は遊ぶのが大好きな子達だとわかっているのに天候などの理由で我慢させてしまっていることへ、つまらないだろうな・かわいそうだなと感じるので、そういう日は次の日や休みの日にたくさん遊んであげたいなと自然に考えています。

それから‘牧羊犬’について。
オゥシーは牧羊犬種といわれますが今の日本においては牧羊犬として活躍している犬はごくごくわずかではないでしょうか。
ドッグショーやアジリティなどのスポーツなどをしている子も含め多くの犬が家庭で飼われている「家庭犬」だと思います。

ショーやスポーツはオーナーや犬の趣味の延長であったり好みなので仕事ではありませんから、牧羊犬として羊を追うことを仕事にしていない限り全ての子が家庭で家族と一緒に暮らしている家庭犬だと私は理解しています。
もちろん犬種の持つものとして牧羊犬としての本能はあると思います。

ですが広大な土地や牧場を所有したり、そういった牧羊の仕事をさせる機会でも設けない限り牧羊犬としての突出する本能は多くのオゥシーのオーナーにとってあまり必要ないかもしれません。
都会のアスファルトを散歩させるオゥシーも多くいます。
そういった子が牧羊犬の本能が強く、脇を走る自転車を羊に見立てて追っかけたり小さな子供を羊扱いにしたらオーナーにとっても悲惨です。

我が家の子達には羊を見せたことがありますがなんの興味も示しませんでした。教えれば本能も手伝って牧羊犬としての仕事をするのかもしれません。
我が家の子達の祖先犬にはドッグショーもして、牛や羊を追う競技も両立している家庭犬もいます。
しかし家庭犬としての要素のほうが強く、牧羊犬の本能は隠れているように思いますし私もそれで満足しています。

‥‥多少、言葉足らずだったり漏れがありますが頭の中にあることをダーッと文字に変換してキーボードを打ってみました。
これが私のオゥシーとの暮らしと見解です。

血統書とブリーディング(繁殖)

血統書はペットショップやブリーダーから犬を購入すれば、たいがい純血種の犬にはついてくるものです。
‘自分のところで産まれた子犬を友達にあげるから’などといった理由で血統書を発行しないケースもありますが一般的に血統書がついていないほうが珍しいように思います。
ともすれば「血統書つきの犬」と自慢の種になりがちですが、大事なのは血統書の中身であり、中身の意味がわからないなら血統書は、その人にとってただの紙切れであり「血統書が付いている犬」という言葉を証明するだけのものです。

血統書にはその犬の両親、何代も前の祖先の情報が書いてあります。
毛色や系統が書いてあり、どういった繁殖が続けられて、結果的にその犬が産まれたのかがわかるようになっています。

特別にブリーディングを考えない場合は、単に愛犬のルーツを知るだけの紙となりますがブリーディングを考えた時、この血統書も検討材料の一つとしてブリーディングプランは考えられます。

「親犬を超えるような、より素晴らしい犬を作出する」
私は個人的にブリーディングについて、そう思っています。
そしてブリーディングする意味はそうあるべきだと考えています。
けして産まれた一代限りを考えるのではなく、より良い犬を作出していくためには何代か先までも系統、健全性も見据え、考えています。

余談ですがアメリカのオゥシーの団体であるASCAの発行している血統書は、股関節や肘関節、眼の検査結果とともに両親、祖先のオゥシーの両目の色も記載されています。
右目はブラウンで左目はブルー、といったように。
ゼウス、シズル、ピンキーと我が家のオゥシー達は、ASCAの血統書も所有しており、この目の色の記載は日本(JKC)で発行している血統書にはありませんからブリーディングにおいても色素を考えていく上でとても参考になっています。

・・・・現在、日本ではたくさんの犬が飼育放棄され、明日を迎えることさえわからない犬達もたくさんいます。
その中でブリーディングという形で新しい命を送り出すことに正直なところ矛盾も感じています。
しかし「良いオゥシーを、理想のオゥシーを作出したい」と自分の気持ちを押し通すなら、けして中途半端なことはしてはいけないし、それは失礼なことだと思っています。

オゥシーに限らず、どの犬種にもあることですがスタンダードもクォリティも無視。
「パピーミル」という子犬の繁殖工場というような意味の、ただただ産ませて売るだけのブリーディングが多いのは本当に悲しく残念です。
特に自分の愛する犬種には尚更に。

タイプとクオリティ

オゥシーは日本において外観をタイプで分け、「ショータイプ」と「アジリティタイプ(スポーツドッグタイプなど様々な言い方もありますが)」というような言い方で2分されているようです。
前者、「ショータイプ」は大きくてガッチリした外観。 後者、「アジリティタイプ」は小さめで華奢な外観、というのがタイプを説明する際のそれぞれの特徴のようです。

私自身も、昔はそのようにとらえていた時期もありました。
ですが自分自身がドッグショーに参加するようにもなり考えも変わりました。
まず、タイプとクオリティという言葉は全く別物ということ。
オゥシーは、スタンダードで「サイズを犬質(クオリティ)より重んじてはならない」という記述があります。
サイズが大きければ確かに見映えはします。
しかし、サイズが大きいからショータイプ=ショーで評価をもらえる犬かといえばそれは違います。
「体が大きいだけ」でスタンダードが定めた、細部に適っていなければそれは犬種のスタンダードを重要視し、犬種の発展と未来を担うショーにおいて評価はもらえません。
この、体のサイズでタイプ分けをすることは、並んでいる犬のサイズを見比べれば一目瞭然なことなのでわかりやすくはありますが…。

ショータイプと呼ばれる犬はクオリティ(スタンダードを満たす犬質)を持つ犬が本当の「ショータイプ」です。
後にドッグショーについて書きますが、ドッグショーは血統書さえあれば全ての犬がエントリーできます。
どんなに小さくても大きくても、ガッチリしていても華奢でもです。
ただドッグショーには出れますが、評価をもらえるのは「クオリティを持つ犬」です。

スタンダード

「スタンダードってなに?うちの子はドッグショーに出るわけじゃないから関係ない」 「スタンダードじゃない子は、だめだっていうの?」「みんながオリジナルでいい、細かい規定なんていらない」。 そんな言葉を本当によく聞きます。

「スタンダード」はドッグショーに出るためにあるものではなく「その犬種の基準(理想)の姿」のことを指す言葉です。
もしスタンダードがないのなら、ある犬は耳が垂れて長かったり、ある犬は胴長短足の体型だったり。毛も短かかったり、引きずるような毛の長さだったり。毛色もたくさん。
「みんな姿形がバラバラだけど一体どの犬がオゥシーっていう犬種なの?」ということになります。

オゥシーを家族の一員にしたいと感じたとき、子犬時の姿だけでなく大人になった時のサイズ、外観を調べたり写真や実物を見るかと思います。その時に見る犬の全てがバラバラだったら混乱してしまいます。
そのためにスタンダードという規準を定めたものはあり、けして「こうでなくてはいけない!それ以外はダメ!オゥシーとして失格!」という、その犬を否定するものでなく「これがオゥシーの規準の姿なので、オゥシーといえばこの姿だと皆が思えるよう統一感が出るようにしましょう。ブリーディングおいては、これを理想として子犬を作出してくださいね。」というものです。

すでにこの世に産まれたものに今から形を変えろというのは難しい話なので、産まれる前の段階で「スタンダード」を規準として沿った犬を作出するようにという、いわば‘命を送り出すブリーダーへの警告’だと私は個人的に思っています。

スタンダードは時に改正もあり、時代や人々の好みによってオゥシーも変わっています。
アメリカのドッグショーで活躍するショードッグのオゥシーたちも時代によってタイプも変化してきているように感じます。
しかし、けしてスタンダードという規準からは離れておらず、やはりスタンダードというものは犬種にとって大事にすべきものではないでしょうか。
(今後このページは随時内容を追加予定です)

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